板の特性と雪面抵抗を作図したところ、なんとなくしっくりきたのでまとめます。
★雪面を粘性をもつ流体と考えると、スキー板が受ける抵抗力Rは、進行方向と逆に、
R = μV
(μ=粘度係数、V=進行方向への速度)
と考えられます(速度に比例して反力が発生する)。
しかし、スキー板はご存知の通り長い方向には抵抗が少なく、短い方向には抵抗が強くなるように作られているので、それを考慮します。
図の左上を見てください。経験的に、板の角付けを立ててば立てるほど、横ずれしないことがわかっています。厳密には排出した雪の抵抗やらを考え出すと非常に難しい話になると思うのですが、ここはざっくりと簡略化して、
「エッジ方向の粘度μ_1は深く角付ける程増すので、近似的に角付け角度dに対して
μ_1=A・d (Aは定数)
と考える。」
としました(感覚的にはそんなもんだとおもいます)。
このとき、長い方向への雪面抵抗力(R_1)、短い方向への雪面抵抗力(R_2)は、
雪面抵抗力(1)
R_1= (Vのエッジ方向成分)・(エッジ方向粘度)
= (V・sinθ)・μ_1 = (V・sinθ)・A・d
雪面抵抗力(2)
R_2= (Vの板方向成分)・(板方向粘度)
= (V・cosθ)・μ_2
と考えられます(三角関数がでてきて混乱してしまうかもしれませんが、最終的にはただの掛け算になりますので我慢してください)。
★ここで、μ_1>>μ_2と考えられる(長い方向の粘度は短い方向の粘度より十分少ない)ため、
その合力である雪面抵抗力(図の赤線)は、R_1とほぼ同じ方向になることがポイントです。
これによって、進行方向と異なる方向に抵抗が生まれるので、ターンへの推進力が発生すると考えられます。
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※以下は補足なので、無視していただいてかまいません。
ここで、進行方向に対する減速成分=雪面抵抗(3)は雪面抵抗(1) の進行方向成分と考えられるます。
このとき、
R _3= R_1・sinθ
= (V・sinθ)・A・d ・ sinθ
= V・A・d・sinθ^2
となります。
(ここで、sinθ^2 ≒θ・2/πと一次近似できます(図の右下のグラフ参照)ので、
R_3≒ V・A・d・θ・2/π
= 2A/π・ V・d・θ
となります。
さらに、
2A/πは定数なので、B=2A/πと置き換えると進行方向に対する雪面抵抗力R_3は
R_3≒B・V・d・θ (Bは定数)
となり、単純な掛け算になります。これを言葉で言い表すと、
「抵抗力R_3は速度V,角付け角度d,迎角θにほぼ比例する」
となります。
理想的なカービングターンの場合、迎角θ=0のため、進行方向に対する減速成分はほとんどないと考えられます。